写真・映像制作者 水谷充の私的視線

〜「見てきたもの」記録装置 カメラがくれた宝物 〜
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人を撮るということ

 写真を仕事にしようと決めた高校生の頃は、小学館のGORO、写楽の全盛期。まだ無名の女の子たちが、華やかに誌面で躍動していた。こんな写真が撮れたら楽しいだろうなぁ〜と、カメラ小僧が感じるのは当たり前のこと。人を撮るってことへの憧れが強くインプットされた時期だった気がする。

 

 高校卒業後、スタジオ助手やアシスタントで7年ほどの修行を経て、独立の第一歩はとんねるずのデビューアルバムの撮影だった。お笑いスター誕生で勝ち抜く様子は、ずっと観ていた。そんな彼らを迎えた撮影の現場。いまでもリアルに覚えている。やはり僕にとっては重要なはじめの一歩。

 

 人を撮るということは、当たり前だけど人に会うということ。社会を形成する様々な人を、なにかしらの理由で写真に残す。自発的な撮影であっても依頼された撮影であっても、その人に会い、撮影するというところはまったく変わらない。自分のキャリアってのは、人に会ってきた記録だとしみじみ。

 

 さて、1985年の独立以来、走り続けてきた僕も、そろそろ晩年期。人に伝え残していくというチャンネルを持つことは、やはり人間好きとしては必然的流れなのかなぁ〜 撮影することと同じように、丁寧に力を入れてやっていきたい。

 

 出会いが画像・映像としてアーカイブされていく写真・映像の世界。ぜひぜひ人を撮ってほしくてやっているゼミ。募集開始しています。

水谷ゼミ 〜人物写真研究〜

市ヶ谷のカロタイプ・フォトワークスにて!

 

3月10日(土)スタートの全5回。

密度の濃い時間、意味のある時間、楽しい時間になるよう、全力でお伝えします。

 

詳しくは、コチラをご覧ください。

水谷ゼミ 〜人物写真研究〜 第二期

 

国内外の著名ポートレート作家の名作研究からゼミはスタートします。限られた時間の中での講義。お伝えできることにも限りがありますが、これだけは押さえておきたいところはしっかり網羅できるように準備しています。

今回は、日本のいわゆるグラビアカメラマンの仕事についてもお伝えしようと思います。ぜひ、人物撮りに興味のある方は、ご受講、ご検討ください。

 

実習のとき、モデル役を引き受けてくれる方も募集します。

交通費+αの謝礼くらいしかお支払いできませんが、写真に興味がある方なら、かなり楽しんで参加していただけると思います。

水谷までご連絡ください。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

| Photographic education | 10:36 | comments(0) | - |
ROCK YOU関連 〜MEZZANINEの作り方〜

 

 続いて大和田良セレクションの「MEZZANINE」です。

このアルバムに関しては、知ってはいるけれど・・・程度の知識。もちろん聴いたことはありますが、普段から頻繁に聴くジャンルではなく、、アーティストのMASSIVE ATTACKのことも一から調べ始めるという感じ。

まずMEZZANINEの意味はもちろん、読み方すらわからない。「メザニーヌ?メザニーン?メザニン?」耳にも目にも馴染みのない単語なのです。辞書を繰ると「中2階」とか!?

国際結婚してイギリスに住むGFのお姉さんに聞いてもらったりして・・・やはり中2階なのだが、特に天井の高いワンフロアの中に増築された2階部分を言うようだと少し差別化が進む。(笑)

さらに劇場の2階席のこともメザニンと呼ぶそう。ちなみに3階席はバルコニー!

 

「大規模攻撃」の「中2階」って、調べ始めて益々意味がわからなくなるという・・・・迷宮入りの嫌な予感。

さらに調べていくと、そうそう、PCIバス以前のISAバスの時代、機能拡張カードのことをメザニンカードと称していたのを思い出した。メザニンカードで調べると、けっこう写真も出てくる。

ぐぐった⇒これね。

ここで「天井の高いワンフロアに増築」とつながり、機能を拡張するという意味合いがありそうだという結論に至る。も〜それでいいや!って気分も少し。欧米の言葉は、ネイティブじゃないと本当のところは実感できないもんだ。そこでメザニンに歌らしきものも入っているので、歌詞を調べる。

 

翻訳ソフトのめちゃくちゃっぷりはご愛嬌としても、なんとなく理解できるような、できないような、微妙な気分のままに、ともかく機能拡張って方向性で写真を探し始める。

そうこうしてるとき、飼育中のヒラタクワガタ2匹の餌変えのとき、指先を流血レベルで挟まれる!! クワガタのハサミは凄い武器だなぁ〜ということを実感し、やはり機能拡張に違いないと勝手に解釈。

 

じゃ、緊縛だ、SMだ! ってことで

 

よし、これだ!

 

と、満足な僕でありつつも一抹の不安は展示場所がお寺さん・・・

 

ま、そこは大人の対応でサブ案も準備ってことで、考えていたところ、以前「贖罪」と「食材」をかけたテーマで撮った作品を思い出す。未使用のカットにもまだまだ良いのが沢山あるってのを思い出す。

 

 

お、なんだかいいかもよ〜と

 

完成はコチラ

 

 

裏はこう。

 

 

肉を喰うようになって脳が異常に発達した人類=機能拡張

※これは以前取材の折、京大の山極寿一総長に直接お聞きした話。

美食! 美味しいという概念と追求する贅沢さ。これもある意味快楽の=機能拡張

フォーク、ナイフなどの道具と飾りつけるという感覚=機能拡張

ってことで、製作してみたら、こっちの方がいいじゃんってことに。

皿で消したタバコは、傲慢さの象徴としてのアイコン。

 

意味を解釈してからのプロセスはメッチャ早かった。あまり迷うことなく進みましたね。

僕の場合、色々と調べて意味合いを理解するってことは、制作していく上でとても大事なんです。迷いを断ち切り、たしか!と思える方向に突き進む原動力。そういったものは、取り掛かるテーマのバックグラウンドを理解すること。

 

これ、クライアントがあった場合は、そこんところを説明することで理解につながるってことなんです。なんとなく綺麗では通らないんだよね。

 

それにしても久々に名探偵したなぁ〜めっちゃくちゃ楽しかった。

人から提示された命題で、自分自身に知識が足りていなかった場合、まさにこうして調べつくすということが他人と関わる意義の根幹。

自分と同じなら自分がいれば良い。異なる個性、そこから発せられる言葉や行動。そういったものに影響されながら自分の枠を広げていく。ROCK YOUに感じる意義は、まさにそこ。「他の誰かは、どんな解釈で作るんだろう?」公募作品を見る期待感は、そこんとこらが最も大きい。

 

| Photographic education | 19:01 | comments(0) | - |
ROCK YOU関連 〜THE FORESTの作り方〜

 

 

 ジャケット制作は、やはり楽しいなぁ〜と、心から実感した日々でした。

 

まずは僕自身がセレクトしたDavid Byrne「THE FOREST」

すでに使ってみたい写真が頭にありました。ゆえにセレクトしたってのもあるかも。このアルバムは、本当に良く聴きました。NUDE撮影のときは、必ずこれを流しながらでしたね〜 このアルバムは、僕が好きそうだってことで、よく仕事をさせていただいていたADの野本さんから頂いたもの。楽曲にどハマリして、成り立ちなどを詳しく知らないままに数年にわたって聴き続けたものでした。

使いたかった写真はこれ。

 

神保町方面から、皇居をはさんだ向こう側のビル。けっこう本降りの雨で、煙ってました。国立情報学研究所の25階から。直下には毎日新聞社がある地点からなので、天地をバッサリ切り落として、この感じになってます。何かに使いたい〜と、いつも思ってたけれど機会がなかった。

レコジャケはご存知の通り正方形なので、ここから切り出すこともやってみたりしました。が、、しかしやはりこの写真の良さは、このパノラマ感にあるってのにすぐ気づいた。タイトル文字との組み合わせやレイアウトは、なかなか難しくて・・・。

 

最初はこんなの。明らかにこれじゃない感が漂う。

 

 

そして思い切ってこう。

 

でも、なにか物足りない。これを基本にスパイスを足す。

 

ってことで、富士の樹海に撮りに出かけました。

 

 

モノクロ化して、地に敷きましたが・・・

 

ビル街の風景とぶつかり、打ち消しあってします。

 

ってことでネガに反転。と、これで完成。

 

 

裏は、ビルを取っ払って、ポジに。ちなみに拡大率は表と同じ。

 

最終的には、文字をセンター合わせにして完成という具合。

 

こちらが裏 完成版

 

写真選びと同時に、タイトルの文字も大事です。

たとえばトメハネのある明朝系は情緒的。太目のゴチックだとインパクト。ゴチックも細めになるとクールな印象に。文字そのものが持つベクトルは、ジャケットの印象に大きく影響します。選び間違えたら台無し!

 

文字関連も、同時に選別。

 

あらかじめ、合いそうなものに当たりをつけイラストレーターに打ち出したりして・・・

ウエイトや字間の調整は、最終的にジャケット上にてバランスをとります。

 

僕のキャリアのスタート時代、浅葉克己デザイン室でよく仕事させてもらっていて、そこで上坂さん、高田さん、福島さんといったデザイナーのみなさんが、それはそれは日夜文字と格闘していたことを間近で見ていたので・・・

ポスターなら最終的にポスターのサイズで調整する。字間調整は写植、78級くらいの大きさで・・・とか。当時見た、そうした仕事ぶりから、タイポグラフィーの本などを読み漁って、なぜこうなのかを自分なりに理解しながら仕事してた。

写真だけ撮ってればいいという考えは、まったくない。何かに関わったときは、その中から拾えるものはとことん拾う。そんな感じでやってましたね。

ま、おかげで器用貧乏の一丁あがり〜〜なのだけど。 

 

 

 

 


 

| Photographic education | 00:13 | comments(0) | - |
ROCK YOU 関連〜水谷式企画構想の手順〜

 

 ROCK YOUのプロモーション展示に出展した4作品について、制作プロセスに関して少しお話します。「製作」ではなく「制作」ね。つまり着想から思考を形にしていく段階の話。

 

今回は、新たにレコードジャケットを4作品分作るという命題なので、手持ちの写真を使ったとしても、純然たる新規の制作といことになります。

額装して写真を展示ということとは事情が違っていて、楽曲を作ったアーティストの存在があるというところをおさえておかなければなりません。つまり企画GOが、自分だけの納得ではないということ。(仮想ですが、そのように仕事と同じレベルで考えました。)

 

根本的な仮想:レコードジャケットのリニューアルという案件。その依頼を受けた。

ということね。

 

まずレコードジャケットとしての機能、役割をあらかじめ整理して企画構想に入ります。この初期段階をおろそかにすると、企画構想がブレブレになる恐れがあるので、とても大事です。

 

レコードジャケットとは何か?

「レコード会社の予算を使い、楽曲のアーティストの想いを受け止め、店頭にて存在を問うパッケージである。」ということ。インディーズの場合だと、予算の出所がアーティスト自身か、パトロンということになります。

この前提で考えると、具体的な製作に入る前の段階で、それらの人たちの承認を得る必要があります。ですから、なぜこうなのかというところを言葉の説明だけで理解してもらわなければならない。

今回は、あくまで仮想ですが、セオリー通りにここから固めました。

 

もうひとつ、初期段階で決めておくこととしては、「なぜ、リニューアルするのか?」というそもそもの問いかけに対する答えをしっかり用意すること。

と、少し大袈裟な感じもしますが、実はけっこう大事なんです。

 

 いよいよ構想に着手するわけですが・・・・

まず、A4程度の紙(僕は主にコピー用紙を使います)に、事実関係と思いついたことを書き出していきます。

 

THE FORESTメモ

 

 

 

DEATH AND THE FLOWERメモ

 

 

 

FORE SEASONSメモ

 

 

 

MEZZANINEメモ

 

 

紙はヨコ使い。センター付近にタイトルを記して、右側に事実関係など、すでにわかっていることを中心に書き始める。疑問点なども書きつつ、思いついたことやその疑問に対する答えなどは、矢印をひっぱって書いたりします。

左側には、このアルバム固有のことに限らず、レコード会社の事情を想定したり、リニューアルする必然性などを想定していきます。

後は、レコードのライナーノーツから拾った、アーティスト本人の言葉(詩など)や評論家の言葉などで気になったものを書きとめたりします。

そして、レコードの製作発表された年代の世相に目を通しました。これは、リニューアルする2017年を意図するためにも比較として当時を知る必要があると考えたからです。

 

このメモ書きは、構想の基本になるので、常に持ち歩き、なにか気づいたときは追記したりして日常を過ごします。

 

このように思いついたことは、可能な限り言語化してメモします。

なぜ言語化が必要か・・・・ですが、、、つまり具体的な製作に入っていけるGOサインをアーティストやパトロンから得なければならない。完成品を売るのではなく、アイデアや僕自身の熱意をプレゼンして予算を引き出す必要があるからです。

 

その他の準備としては、歌詞がある場合はそれを和訳して読んでみる。そもそも意味が良くわからないタイトルの場合は、そこを明らかにして理解を深めます。今回では、MEZZANINEが当初まったく意味不明でした。単純に言葉の意味を調べても、なんだか意味不明でしたが、国際結婚してイギリスで暮らす方に聞いたり、和訳した歌詞を読んでいるうちに、含まれた意味のようなものがおぼろげに見えてきました。

 

MEZZANINE歌詞

 

楽曲は当然、フレーズが鼻歌できるレベルまで聴きこみます。っていうか、とにかく家にいるとき車で移動中など、常に今回の4アルバムが流れているといって2ヶ月だったかな。

 

ここまで来ると、そろそろどんな絵柄がいいのかという辺りが見えてきます。手持ちのネガやデジタルデーターをひっくり返す日々に突入です。もちろんイメージにフィットするものがなければ撮影しなければなりません。今回は、FORE SEASONSの卵とTHE FORESTの表1に透かしと表2の森(同じもの)が新規撮影でした。

つづく

 

概ね仕事や企画書を作る前段階などでずっとやってきた方法なんですが、モヤモヤを晴らし、やるべきことを明らかにしていく上で、とても有効な方法です。

おそらくみなさんもなにかこうした手順をそれぞれがお持ちなんだと思いますが・・・

僕は、常日頃、こんな感じでやっています。

なにかしらの参考になれば幸いです。

 

次回は、個別に詳細解説をしようと思います。

 

 

| Photographic education | 07:00 | comments(0) | - |
むしろ記憶。

 

 対話のような距離感覚や時間感覚。

それが僕の感じている人を撮る楽しさ。

物理的現象としての画像形成だけではない。気分のようなものがちゃんと写りこんでくるところが写真のミステリアスなところ。多くの人とこれまでにカメラを介して対話してきた。

写真に写る人の個性と、そこに被さるベールのような僕の個性。やはりその人と僕とでなければ写らなかったものがそこにある感覚。

ホント、人を撮ることは楽しい。

写真の目的がなんであるかは、二の次。どこで、どんな方と、どんな時間を共有したのか。その結果が定着されている。

 

やはり写真ってのは、LIFE LOGなんだよ。

プロダクツではない。むしろ記憶のような曖昧さのあるものって気がする。

 

さて明日は水谷ゼミ、ロケーション実習。

被写体と自分だけではない。受講生や、その環境に行き交う人。場所が持っている力だってとても大事。

社会がどのように出来上がっているのかということと無縁ではない。

 

カロタイプ 水谷ゼミ 第二期 4月29日スタート

募集始まっています。

一緒に楽しみましょう!

http://www.calotype.jp/workshop/applications_now_open/mizutani-portrait2/

 

 

| Photographic education | 02:14 | comments(0) | - |
水谷ゼミ 満席御礼

水谷ゼミ −人物写真研究− おかげさまで満席となりました。

現在、キャンセル待ちでお受けいたしておりますが、また近日中に第2回目の開講スケジュールを発表できると思います。

 

詳しくは、カロタイプ・フォトワークスのサイトにて!

http://www.calotype.jp/2016/12/22/mizutani-portrait/

| Photographic education | 12:46 | comments(0) | - |
水谷ゼミ 開講決定。残席2名〜

 

 

 カロタイプでおこなう2/18スタートの水谷ゼミですが、開講が決定しました。今日現在のところ残席2名です。検討中の方は、今すぐ予約だけでも!

 

 僕のゼミは、僕自身が何を考え、何に気を配り、どの様にここまで来たか。それを伝えることを一番に考えています。初心者向きか、、とはけっして言えないかもしれない。だけど実は初心者にこそ受けて欲しいと思っています。こうした講座の類は、そこでやることをすべて身につけようと意気込むことはない。もちろん人物を撮る上での核心は伝えていくのだけど、本質的な理解はある程度いろいろな経験をしつつ場数を踏んだ後に「あ〜こういうことか!」となる場合が多い。

それでいい。理想的な行き先は、自分自身の脚で歩んだ先に広がってくるものだ。だから僕は僕で掴んできた理想をお見せし伝えるようにしている。

理想も持たず誇れるものもなく、教える技術だけではなにも伝わらないと僕は思う。

 

ともかく素晴らしいなぁ〜と思える写真。それを感じれる人から習ってください。でないと、その方自身の理想への道はひらけない。

つまりは、僕の撮る人物にピンとこない方は、けっして受講してはいけません。それだけは断言します。

 

 楽しい全5回ですよ。楽しさは保障します。

最終的には、水谷ゼミを受講した経験のある方々と、一緒にグループ展なんか出来たら嬉しいなぁ〜。正直、ひとつの夢です。当然僕も撮り下ろしで参加。大人気なく全力で写真撮ります。誰よりも目立ってやる〜という気持ちで取り組みたい。全力でやらないと本当の楽しさが味わえない。みんなの全力がぶつかり合うような展示。あ〜想像しただけでワクワクする。

そうした一歩をぜひ一緒に歩みましょう。

 

カロタイプ フォトワークス 水谷ゼミ −人物写真研究−

申し込みは、こちらまで

http://www.calotype.jp/2016/12/22/mizutani-portrait/

 

 

| Photographic education | 06:13 | comments(0) | - |
Re-boot !

 

水谷ゼミ ー人物写真研究− 再起動です。

場所は、市ヶ谷のカロタイプフォトワークス。

今年3月に永眠された写真家・白岡順氏が設立運営していたアトリエです。白岡さんが亡くなる前、「誰か、後を」の声に橋本有史氏が手を挙げ、その意志を継承しました。

 

橋本さんから声をかけていただき、日本写真学院のとき5期開講した水谷ゼミをそのままやらせていただくことになりました。詳しくは、カロタイプのサイトにてご覧ください。

来年2月18日スタートです。

 

 

 

僕のゼミは、単純に撮影技術の伝達というよりも、本質的な理解を目指しています。光のこと、カメラのこと、対人とのコミュニケーションなど。

作品を制作し、完成させるのは各自の役割。そもそもこれが正解という絶対値が存在しない表現という分野。基礎の基礎を体得したあとは、撮り手自らが現場と向き合って結果を導き出すもの。

僕は、そのお手伝いをします。

基礎の基礎。そして動かしがたい原理原則への理解が進むようにやらせていただきます。

 

ゼミは、サブタイトルにあるよう人物写真研究です。

人物と、くくりを大きくしましたが、ポートレートをしっかり撮れる感覚を磨いて欲しいというのが第一義的な望み。

 

撮り手の型に嵌めるのではなく被写体に寄り添うこと。変身ではなくその方の持つアイデンティティをしっかりと撮りきること。そんな辺りを目指してみたい方にぜひ参加して欲しい。

 

写真は楽しい。

その楽しさは、真剣に取り組んでこそ。

 

ぜひ、ご一緒に!

 

 

 

 

 

| Photographic education | 18:26 | comments(0) | - |
節目

 

 

 9月末をもって閉校となる日本写真学院で、最後のひと時を過ごしてきました。

月末の金曜日ということで、参加の叶わなかった方も多かったんじゃないかと思いますが・・・。とても暖かで賑やかな、ClosingPartyとなりました。

 

僕自身は、ほぼ4年の関わりでしたが、簡単に語りつくせない多くのものをいただきました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 教えたり伝えたりというチャンネルを持てたことの意義は、計り知れません。独立しておよそ30年。夢中で過ごしてきた写真の世界。なんとなくの力技でやってきた僕が、人に伝えようとしたとき、そのなんとなくをしっかりと言語化していかなければなりません。それはそれは、有意義な体験です。

通常の撮り手としての思考とは、少々異なった視点で自分自身の行動を再検証する絶好の機会となったように思います。

そのことは、また撮り手としての活動にも、とても良い影響があったと感じています。

 

 また、どこかでお目にかかりましょう。

まだまだ遣り残したこともいっぱいありますので、伝える機会を模索していこうと考えています。

 

 ひとまず、ひとつの節目。

ありがとうございました。

 

| Photographic education | 00:58 | comments(0) | - |
水谷ゼミ日程追加!
 

 海岸線の景色が好きで、時々ふらりと出かけたりする。ビーチに隣接した駐車場に車を止めると、ゴーっと音の塊が耳に飛び込んでくる。なんとも心地よいね。
塊だった音は、海岸線に出ると様々な音が複雑に絡んだものだとわかる。
いつまでも聴いていられる、心地よい音。少し荒れた海の轟音も、ちょっとの恐怖感を克服しちゃうと心地よさが出てくるのが不思議。やっぱり海はいいなぁ〜

 水谷ゼミ(日本写真学院)追加日程のお知らせです。
すでに募集中だった、7/27(水)スタートの回に先立って、週末7/23(土)の回が追加になりました。

日程は、下記の通り。
第1回:2016年07月23日(土)16:00〜18:00
第2回:2016年08月06日(土)16:00〜18:00
第3回:2016年08月20日(土)13:00〜18:00
第4回:2016年09月03日(土)13:00〜18:00
第5回:2016年09月24日(土)16:00〜18:00

すでに募集中だった日程は、下記の通り。
第1回:2016年07月27日(水)19:00〜21:00
第2回:2016年08月10日(水)19:00〜21:00
第3回:2016年08月20日(土)13:00〜18:00
第4回:2016年09月03日(土)13:00〜18:00
第5回:2016年09月16日(金)19:00〜21:00

3、4回目の実習は、両日程合同で考えています。

写真は人とつながるコミュニケーションのひとつ。その典型的な形としてポートレートがあります。本ゼミナールでは、ポートレートを徹底的に研究し、理解を深めるところから始めます。そして撮影技術の向上を目的に、さまざまな課題を考察します。被写体とのコミュニ ケーションはとても大切な部分。「何を伝えたらいいの?」「どのような指示をしたらいい?」など、被写体とのコミュニケーションに漠然とした苦手意識を持つ方もいらっしゃいます。疑問点を洗い出し、問題点の解決を図ります。さらに展示やポートフォリオ制作など、作品としてまとめるために必要なスキルを磨きます。「モチーフ」「テーマ」「ターゲット」と具体的な命題をあきらかにして、組写真の制作に取り組みます。出来上がる写真が役割を持って、ひとり歩きを 始めることが最終目標です。

ポートレートの楽しさは、被写体との共同作業という部分が大きいです。その楽しさや喜びは、作品を通じて被写体の先にいる家族や友人へと伝わっていきま す。まさにそれは人を撮る醍醐味。社会が人と人との関わり合いによって成り立っていることを端的に実感できるポートレート。撮影し、発表するということは、そうした広がりの中心に自分を置くということなのです。ぜひ人を撮る楽しさを体感してほしいと思います。


特に光の質が、作画にどう影響を及ぼすかを実習を通じて体感していただくことに主眼を置いています。ただ漠然とライト機材を置き、光の当たり方を見ているだけでは足りません。光質の見極めとコントロールが大切です。それは、スタジオでもロケーションでも同様。人工光でも自然光でも同様です。

今回を最期に、しばらく水谷ゼミはありません。なにか制作のヒントをお求めの方は、ぜひこの機会に。
1985年の独立以来、31年の経験を題し惜しみなくさらけ出して授業します。

日本写真学院 水谷充ゼミ(人物写真研究)
http://www.jcop.jp/course/products/detail.php?product_id=129

 
| Photographic education | 14:42 | comments(0) | - |
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