写真・映像制作人 水谷充の私的視線

〜「見てきたもの」記録装置 カメラがくれた宝物 〜
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ROCK YOU 関連〜水谷式企画構想の手順〜

 

 ROCK YOUのプロモーション展示に出展した4作品について、制作プロセスに関して少しお話します。「製作」ではなく「制作」ね。つまり着想から思考を形にしていく段階の話。

 

今回は、新たにレコードジャケットを4作品分作るという命題なので、手持ちの写真を使ったとしても、純然たる新規の制作といことになります。

額装して写真を展示ということとは事情が違っていて、楽曲を作ったアーティストの存在があるというところをおさえておかなければなりません。つまり企画GOが、自分だけの納得ではないということ。(仮想ですが、そのように仕事と同じレベルで考えました。)

 

根本的な仮想:レコードジャケットのリニューアルという案件。その依頼を受けた。

ということね。

 

まずレコードジャケットとしての機能、役割をあらかじめ整理して企画構想に入ります。この初期段階をおろそかにすると、企画構想がブレブレになる恐れがあるので、とても大事です。

 

レコードジャケットとは何か?

「レコード会社の予算を使い、楽曲のアーティストの想いを受け止め、店頭にて存在を問うパッケージである。」ということ。インディーズの場合だと、予算の出所がアーティスト自身か、パトロンということになります。

この前提で考えると、具体的な製作に入る前の段階で、それらの人たちの承認を得る必要があります。ですから、なぜこうなのかというところを言葉の説明だけで理解してもらわなければならない。

今回は、あくまで仮想ですが、セオリー通りにここから固めました。

 

もうひとつ、初期段階で決めておくこととしては、「なぜ、リニューアルするのか?」というそもそもの問いかけに対する答えをしっかり用意すること。

と、少し大袈裟な感じもしますが、実はけっこう大事なんです。

 

 いよいよ構想に着手するわけですが・・・・

まず、A4程度の紙(僕は主にコピー用紙を使います)に、事実関係と思いついたことを書き出していきます。

 

THE FORESTメモ

 

 

 

DEATH AND THE FLOWERメモ

 

 

 

FORE SEASONSメモ

 

 

 

MEZZANINEメモ

 

 

紙はヨコ使い。センター付近にタイトルを記して、右側に事実関係など、すでにわかっていることを中心に書き始める。疑問点なども書きつつ、思いついたことやその疑問に対する答えなどは、矢印をひっぱって書いたりします。

左側には、このアルバム固有のことに限らず、レコード会社の事情を想定したり、リニューアルする必然性などを想定していきます。

後は、レコードのライナーノーツから拾った、アーティスト本人の言葉(詩など)や評論家の言葉などで気になったものを書きとめたりします。

そして、レコードの製作発表された年代の世相に目を通しました。これは、リニューアルする2017年を意図するためにも比較として当時を知る必要があると考えたからです。

 

このメモ書きは、構想の基本になるので、常に持ち歩き、なにか気づいたときは追記したりして日常を過ごします。

 

このように思いついたことは、可能な限り言語化してメモします。

なぜ言語化が必要か・・・・ですが、、、つまり具体的な製作に入っていけるGOサインをアーティストやパトロンから得なければならない。完成品を売るのではなく、アイデアや僕自身の熱意をプレゼンして予算を引き出す必要があるからです。

 

その他の準備としては、歌詞がある場合はそれを和訳して読んでみる。そもそも意味が良くわからないタイトルの場合は、そこを明らかにして理解を深めます。今回では、MEZZANINEが当初まったく意味不明でした。単純に言葉の意味を調べても、なんだか意味不明でしたが、国際結婚してイギリスで暮らす方に聞いたり、和訳した歌詞を読んでいるうちに、含まれた意味のようなものがおぼろげに見えてきました。

 

MEZZANINE歌詞

 

楽曲は当然、フレーズが鼻歌できるレベルまで聴きこみます。っていうか、とにかく家にいるとき車で移動中など、常に今回の4アルバムが流れているといって2ヶ月だったかな。

 

ここまで来ると、そろそろどんな絵柄がいいのかという辺りが見えてきます。手持ちのネガやデジタルデーターをひっくり返す日々に突入です。もちろんイメージにフィットするものがなければ撮影しなければなりません。今回は、FORE SEASONSの卵とTHE FORESTの表1に透かしと表2の森(同じもの)が新規撮影でした。

つづく

 

概ね仕事や企画書を作る前段階などでずっとやってきた方法なんですが、モヤモヤを晴らし、やるべきことを明らかにしていく上で、とても有効な方法です。

おそらくみなさんもなにかこうした手順をそれぞれがお持ちなんだと思いますが・・・

僕は、常日頃、こんな感じでやっています。

なにかしらの参考になれば幸いです。

 

次回は、個別に詳細解説をしようと思います。

 

 

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