写真・映像制作者 水谷充の私的視線

〜「見てきたもの」記録装置 カメラがくれた宝物 〜
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季節の移り変わりを喜ぶ
 

 紫陽花も終わろうとしている。なのにまだ雨の多い不安定な天候が続く。湿度の高さと気温の高さが合わさって、なんとも重い空気がまとわりついてくる。うすっぺらなTシャツが、重く感じるほどだ。

 田んぼを飛び回っていた日々は、一応の終わりを迎えたけれど、一部、撮り足したいものがあって、まだウロウロしている。入稿ギリギリまで粘って、稲が大きく育った様子を捉えたい。限られた取材期間の幅を目一杯使い、まだ水の入っていない田んぼから、スッと伸びた緑の葉まで・・・。そこに時間とか期間とか、流れゆくものを記録したい。まぁ、ささやかな願望かなぁ。
ともかく植物の成長速度は驚くほど早い。野ざらしの駐車場なんかを借りている人には、ピンと来る話。2〜3日、車に乗る機会がないと、もう駐車場は雑草だらけだ。伸びた葉の先端が、車体とバンパーの隙間に入り込んだりしている。生命力と、それを助長する春の日射しと梅雨時の雨。
蚊を追い払う行為も、季節の移り変わりを感じさせてくれる嬉しさに目を向ければ楽しい。四季のあるエリアに生まれた幸運を素直に喜びたい。


 渡部さとる氏の個展を拝見。
まったりとしたトーンの写真に、渡部氏の中の季節も移り変わっているのだと実感。視点の穏やかさは、そのまんま人柄が反映されている。
写真は、そこにある事実を、かなり精密かつリアルに写し取るメディアだ。にも関わらず、そこに撮影者の人柄が見えるところが本当に面白い。
撮る人は、ずっと撮り続けることをお勧めします。いずれ残された写真を振り返るときに、見事なまでにそれまでの人生がダブって見える面白さを実感できるはず。
人生の伴侶として、最高の存在だと思いますよ〜写真。渡部氏の個展は、そんなことを僕に語りかけてくれました。


ギャラリー冬青にて
7月31日(金)までやっています。
日、月、祝日休館 11時〜19時 (最終日は14時まで)

写真家 渡部さとるをもっと知りたい人は、こちらもご覧くださいね。
僕が企画・監督をやっているネットTVの番組です。
ArtPhotoChannel「写真芸術の現場」

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身体に効く食物と心に効く環境


「空芯菜・くうしんさい」という野菜をご存じだろうか。ここ最近、日本でも栽培されるようになってきた栄養価の高い中国野菜だそうだ。
取材先で、おみやげに頂いた。早速インターネットでレシピを調べ、食べてみた。味や食感の良さ以上に身体に効く感覚に驚いた。凄い!
いろいろ調べてみると、栄養価がとにかく高い。ほうれん草と比較して、カルシウムが4倍でビタミンAが5倍。ビタミンB群は2倍でビタミンCも2倍。他に食物繊維はもちろん、鉄分、ポリフェノール、カリウム、βカロチンなども豊富に含まれているらしい。
食べた翌朝、なんとなくいつもの朝と比較して目覚めがよいのだよ。蓄積された疲れをあまり意識することなく、自然にその日の仕事に入って行けた。もしかしたら、食物って本当に大事なのかもしれない。

 こんな風に、ダイレクトに身体に効く実感を持った食べ物は、愛知県の八丁味噌以来だ。八丁味噌も、食べてすぐにユンケル並みの実感が身体に来る食物。空芯菜も、僕の定番メニューに加わりそうだ。しかし、まだあまり置いてるスーパーがないね。捜さないとヤバイ。

 

 薬草的な香り、少々。
しっとりした歯ごたえの葉っぱと、シャキッとした歯ごたえの茎が心地よいハーモニーを醸し出している。調理方法は、あまり難しく考える必要もなく、シンプルに、にんにくと塩で炒めればよい。



 カタツムリもいっぱいいた。
小さい虫が安心して食べる野菜が、人に悪いはずがない。


 カエルも一休み。
無農薬・有機農法は、雑草を取り除く手間と、害虫の発生というリスクを生産者に強いる。カエルは害虫を食べてくれる強い味方。
カエルの鳴き声をうるさいと感じない農家の人々は、カエルが稲作、畑作に必要不可欠な存在だと、よくよくわかっているからなんだろう。

 今回取材した9職は、自然環境の維持や食べることの大切さを教えてくれた。働く人々の顔は、日に焼け、笑顔が刻んだシワが印象的だった。
目に映る風景のほとんどが、食べられるという不思議さは、都会の楽しさとは異なる価値だ。鳥や虫も、多種多様が棲息し、それぞれが役割を持ってそこに在る。
下手くそな鳴き声のうぐいすも、梅雨明けの頃には、上手に鳴くようになった。本当にすべてが面白い。
後継者不足と新規就農への障壁。実務、実作業の大変さ。そうした所もしっかり見なければならない。だけど、幸せそうだったなぁ〜。都会人から見て、羨ましく感じる面が幾つもあった。

 僕にとっても、重要な数ヶ月になった。これからも、こうした一次産業の在り方に注目していこうと思う。
書籍は、9月上旬 二玄社より出版されます。一次産業への就農ガイド的側面も持った本になります。正式な発売日が決まったら、表紙と共にまたこちらで告知させて頂きます。何かを感じ取って頂ける本が出来そうです。

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海は凄いなぁ〜
 船を下りてから24時間が経過した。
まだ、頭の芯がフラフラしている。胃はバッチリ! 食事が旨い。

 写真は、出航するときの様子。センターを横切るシルエットは、テトラポットを積み上げた防波堤の様子。なんだか要塞のようで、不気味な迫力を醸し出していた。
 

 船の無線からは、漁協が伝える天候や波、風の状況が定期的に聞こえてくる。スピーカーから聞こえてくる明瞭だが事務的な女性の声は、この仕事が死と隣り合わせであるとのメッセージだ。きっと命綱。その声が聞こえると、一時作業の手を止め、そちらへ耳を傾ける。

 周りに、大小様々な漁船が操業していた。中でも目を引いたのが、比較的大きい漁船が二艘ぴったりと並んで併走する光景だ。
聞くと、巻き網漁というやつで、網の両端を併走する二艘で保持しながら魚群を突っ切っていくような方法だとか。
あの荒波で、船が大きく上下している。その動きまでもがピタッとシンクロしていて感動ものだ。操舵の技術がどれほど難しいものか、陸人であっても容易に想像の付く光景だった。
 

 海仕事は、どれも壮絶だ。海に生まれた生命が、時を経て陸で進化を続けたて来た。陸に上がったのは、おそらく快適さがそこにあったからだ。進化は、楽な方へ向かって進むのが道理。生存率に関係しているのだから、当然の論理。
海仕事は、あえてその流れに逆行する形で海に身を置くということだ。GPS、魚群探知機、無線、携帯電話。様々なハイテク機器で武装してはいるが、最後の最後は人の勘と判断力。人の底力を垣間見て、軽く身震いがした。

 今回、取材させていただいた方は、高級魚狙い。はえ縄の仕掛けにかかったサバは、外道と呼んで海に戻していた。凄い数捨てていた。
「単価が低く、商売にはならない」とつぶやいた。同じ手間をかけるなら、単価の高いスズキやヒラメ。極めて合理的で、納得の行く理屈。巻き網や定置網、底引き網などは、単価は低くても大漁であって成り立つわけだ。
はえ縄のストイックさは、僕ら都会人にも理解しやすい気がした。

 本当に水産資源は無尽蔵っぽい。港からかなりの数の漁船が出航していったけれど、海上では孤独感を埋め合わせてくれるほどのことはない。微々たる数なんだろうね。

 
 今回乗船した漁船だ。
操舵室の脇は、人一人がやっと通れる間隔しかない。いかに小さい船かわかっていただけるんじゃないかと思う。
外海のうねりには、身を委ねるくらいしか処し方はない。
海の上のことは、まだまだ知らないことだらけだ。船酔いのしんどさを忘れて、また好奇心が疼いている。知らなかったことを知るという喜びは、何ものにも代え難いものがあるなぁ。

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| One`s View of Life | 14:39 | comments(0) | - |
漁師、最強!
 

 農業、漁業、林業など一次産業を扱ったフォトドキュメントの取材も、最終局面を迎えた。梅雨が明け、悪天候で先送りになっていた銚子のはえ縄漁の取材もなんとか終えることができた。

 

 銚子と言えば、完全な外海。しかもここは利根川の河口がある為に、潮の流れと、海に流れ出る川とで、複雑な海流が見られる場所でもある。銚子市街地から犬吠埼方面に向かって、かなり広い範囲を占める銚子漁港は、テトラポットが積み上げられた物々しい防波堤が幾重にも作られていて、独特な風景を見せてくれる。
「波、ヤバそうだなぁ〜」との覚悟は、みごと現実のものとなって僕の身に襲いかかる。

 ちょっと写真が小さくてわかりにくいかも知れないけれど、幾重にも重なるように四方から襲いかかる波のうねりは、信じられないアクションを舟に要求する。
遠くを見るようにしながら、必死に身体のバランスを取る。当然、写真を撮りに来たのだから撮らなきゃいけない。
やっぱり! 港を離れ15分もすると、もうすでに胃液が上がってくる感覚。あぁ〜
「いつもこんな波の中で仕事してるんですか!?」 漁師さんに問うと、「今日は、素人には最大級の波だよ。オレだって油断したら船酔いするくらいだ」と。。オイオイ

 

 はえ縄漁は、一人で操舵しながら、ブイにくくりつけられた80本ほど針の付いた長い仕掛けを、数ポイントに置いていく。時々仕掛けに使う餌を釣り、今度は仕掛けの回収に回る。成果を見ながら、また仕掛けに動く。
早朝4時のまだ暗い時間に始まる操業は、日の出を迎え、今度は暑さとの戦いも待っている。

 

 おぉ〜綺麗だ。
とか、言いたいところだけど、もう吐くものもないくらい吐き。ぐにょぐにょとよじれる内蔵や脳みそと戦いながらのシャッターなんです。
水平線を水平に撮ることが、こんなにも大変だなんて〜。こんな条件下では、デジカメのハイテク装備もまったく役立たない。気合い一発、いや数発。撮ったらカメラを降ろして、またゲロゲロです(笑)。

 湾内と違って、対岸なんてもんが見えない外海は、ただただ、コールタールの様な深いうねりが迫ってくるのみだ。底知れぬ恐怖感があるのだけれど、それも悶絶する胃の状態がすべて消し去ってくれる。五十肩の激痛も、いつの間にか消え去り、揺れで持って行かれそうになる身体を必死に支えている。
人間って凄いね。持ち合わせてるウイークポイントを上回る問題が生じると、それを消し去って、その新たな問題に対処しようとするんだね。悶絶する胃は、五十肩を完璧に上回っていたようだ。



 スズキが上がった。
白身魚大好き人間の僕は、魚の形のままで見ても「美味そう〜」とワクワクする。しかし、胃は悶絶。
しかし、船酔いって、酒酔いとはかなり違うんだね。内臓に反して頭は妙に冴えるんだよ、不思議。あ〜もう時間の感覚もなくなってきた。
でも、新たな動きがあるとシャッターを切る。そしてまたゲロゲロ。これはなんの試練なんだ〜と、心の隅でつぶやきながら、港に戻ってきたのは11時30分。
ん? 7時間半も、あの状態で海の上にいたんだぁ〜! もう!

 自分の過去、49年と8ヶ月を振り返っても、ダントツ一位の壮絶体験だった。僕はやっぱり陸の人だと再認識。フィジーだのモルジブだけが海じゃないね。荒れた海に小型の漁船を出し、潮を被ってねちょねちょになりつつ食い物をゲットする。誤解を恐れずあえて言えば、漁師は最強の生き物なんじゃないかと思う。
永田町だの霞ヶ関だので取り乱す馬鹿どもに、体験させてあげたいよ、ホントに。

 まだね、眠ろうと横になると、頭の中が揺れてるんだよね。悶絶する胃は、陸に上がったらケロッと治った。神秘だね、人間の身体は。僕は、まだまだ生きるための様々な防衛システムがきっちりと作動するようだ。
写真も、ちゃんと撮れてるよ〜エライエライ♪ もう漁船は、懲り懲りかも(汗)。

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| Location | 05:45 | comments(0) | - |
PHOTO EVENT&EXHIBITION
  梅雨明け宣言が出ましたね。
あっと言う間に連日の夏日。晴れ間を待っていた銚子沿岸はえ縄漁の取材がいよいよ明日。日射しを遮るものが一切ない海上です。どんな試練が待っているのやら。波さえ穏やかであれば、他のことはなんとか頑張ります(笑)。

 またまた必見のPHOTOEXHIBITIONのお知らせです。

まずは、フォトグラファーズ・サミットの主宰でお馴染みの写真家 山田敦士氏が、なんだか面白そうなことをやらかしてくれそうです。
渋谷のクラブにてLIVE SHOOTING EVENT!



『Branch communications』

2009/07/26(日)
場所:axxcis
http://www.axxcis.net

OPEN16:00 CLOSE 21:00
DOOR:2500/1Drink
WITH FLYER:2000/No DRINK
*4階は別途料金

■特典 
・浴衣着用の方ディスカウントで入場!!!
・ビキニ着用(上のみでもOK!!!)の方入場無料!!!+特製ビキニカクテル飲み放題!!!
・MySpaceユーザー2000/1Drinkで入場可能!!!
・テキーラ祭りで¥1000でテキーラショット3杯!!!

主催・企画・制作:Branch Communications
協力:MySpace.cafe & MySpace Creators / club & party gallery axxcis
協賛:SHARK TOKYO INC.
後援:代官山コレクション実行委員会

2F FLOOR : creatist party&FASHION /art.&GOOD MUSIC

■PERFORMANCE
Peak Wander Ballerz (FREE STYLE BASKETBALL)/emigrette (YO-YO)/長竹慶祥a.k.a Senjyu/TOKYOcreatist (ALL PERFORMANCE MIX)

■FASHION
http://myspace.com/to_fashionicons

■model : psyno / arica / mitu / silvia / kanako / ichico / tomoka / kaito / jun他
■stylist : REDATE 赤沼、hortensia高橋、yutsu

■hair make : 500円ヘアセットサービスコーナー!!!

■VJ : tony / blindorchestra
■かふぇれぽ audition booth:MySpace cafe レポーター
*MySpace cafeのサイトで、公認カフェを紹介していくレポーターのオーディションを行ないます。

■Live photo session
Photographer 山田敦士


そして、もう一件!
千葉の御宿在住の旅する写真家 岡嶋和幸氏の個展です。
 

岡嶋和幸写真展「潮彩」
・会場 ペンタックスフォーラム(新宿センタービルMB)
・開催日程 2009年 8月 5日(水)〜 8月 17日(月)
        10:30〜18:30(最終日16:00終了)  火曜日定休

詳しい情報はこちら→ ペンタックスWeb Site

※今回の作品は、一部ましょ展の時に拝見しました。
大変美しい作品です。ぜひ、生でご覧ください。海の近くに住んでいなければ、なかなか気づくことの出来ない多彩な光景ですね。

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| Exhibition | 01:24 | comments(0) | - |
ギャラリーコスモスでSALE開催中!
  お馴染みのギャラリーコスモスは、現在改装のため閉館中。
工事開始までの間だ、同会場でコスモスインターナショナル取り扱いの製品(ポートフォリオ・ボックス・各種写真整理用品ファイルなど)のクリアランスセールを開催中です。
詳しくは、コスモスのBlogをご覧ください。

 まだ確定事項ではないのですが・・・
昨年10月に大盛況だった「¥3,000で写真売りましょ! 買いましょ!展」を、今秋再びかも。同じ形での開催かどうかも、まだ検討段階のようですが・・・。
情報が入り次第、逐一こちらでもお伝えしていきますので〜

早めに情報を掴んで、準備抜かりなく参加! ですね。

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| Recently | 02:46 | comments(0) | - |
必見、PHOTO EXHIBITION
吉田和弘写真展 -地上一mの世界- 「届かぬ指先」

難病、筋ジストロフィーと闘いながら写真を撮り続ける吉田和弘氏の初個展です。
写真を撮り続ける中で、生きる義務を自覚したと語る彼の一端に、ぜひ触れてみたい。
楽しみにしていた写真展です。
ぜひ、お出かけください。


日時 2009年7月31日〜8月2日
場所 かながわ県民サポートセンター1階展示場
住所 〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2

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| Exhibition | 23:50 | comments(0) | - |
ボジコウシン
 

 人の手が入っていない原生林には、いたるところに倒木がある。部分部分が朽ち果て、表層は苔に覆われている。その倒木を栄養に発芽し、新しい木が育っていく。
「ボジコウシン」と、地元の方が言っていた。倒れた木は、新しい世代の栄養となり天命を終える自然の循環なのだそうだ。
植林によって作られた森にも、所々同じ様な光景が見られる。やはり、どこにでも新しい世代は確実に生まれ育っている。

 人間もきっと、そんな風に受け継がれていくんだろう。
「子を20年も手元に置き、子が死に向かう親の面倒を見る」 これは、生物の中でも人間にしかない特殊な在り方。
殊勝な親は、子に末期の面倒をかけたくないと、密かに老後の計画を練っていたりする。面倒は面倒だけど、あまりにあっさりと突き放されるのも寂しいものだ。
人の心って、複雑だね。子の成長を喜ばない親はいないけれど、成長する姿に寂しさを感じたりもする。自立してみせるのも心意気だけど、少しは心配をかけてあげた方が良かったりもする。

 そうやって沢山のものを親から受け取り、成長し、やがて子に手渡し、寿命をまっとうする。そういった流れが歴史というやつだ。先人に学び、後身に渡す。今年もツバメの巣立ちを幾つも見たけれど、ツガイで協力をしながらヒナを育てる様は、微笑ましい。生き物が次世代へ繋ぐ意志は、変わることなくこれからも繰り返されてゆくのだろうね。

 責任ある立場の大人が、くだらない犯罪はやめて欲しいよ。少年犯罪が増えたとか言うな!手本が糞なら、糞しか育たないもんだ。本当にちゃんと寿命を刻んでいきたいもんだね。

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| One`s View of Life | 05:58 | comments(0) | - |
後処理の愉悦
  「写真芸術の現場」も、なんとか船出。多くの方に視聴して頂き、心から感謝です。
第三弾、インベカヲリ氏の編集も、あと少し。前2作と同じ様なパターンで編集していたのだけど、なんだか本人の持つ”らしさ”が表現しきれていない。そんなわけで、一から再度組み直しているところだ。
こういったシリーズものは、パターンを作り、それに当てはめてしまえば楽が出来る。だけどなんだか、そんなんじゃいけないような気がして試行錯誤を繰り返す。まぁ、大きな括りは変わらずだけど、出ていただいた方らしさは、手を抜かず追求しようと思う。

 それにしても編集という作業は、それそのものが試行錯誤的なものだ。どこを切り捨てるか繰り返し見て判断する。何度も何度も、本人の話を聞くわけで、しまいにはしゃべってる言葉を覚えてしまう。しっかり記憶に刻まれる言葉達は、自然と僕自身の筋肉となる。まったく面白いことを始めたものだと、改めて思う。


 相変わらず天気に振り回される自然職の取材。ちょっとした時間の隙間に、車を走らせ現地に赴いている。期待通りの風景に出会えることは稀で、やはりいつもの様に、その出会った中から美味しいところを切り取ってゆくしかない。
自然相手に、自分をゴリ押ししたって仕方がない。ともかくあるがままを受け入れ、ちょろっと自分流に料理しちゃうだけだ。
ん? これって人間関係にも言える事かも知れないね。
撮影終了分に関しては、粗ヨリも終わり。最終的に使うカットを絞り込んで仕上げ作業に入る。もう一つの楽しい時間「後処理」が待っている。

 1988年頃に手を付けたカラープリントは、その少し情報が削がれたテイストが好きでかなり填ってしまった。色調を変に転ばすこともせず、基本ストレートプリント。それでも仕上がったプリントを手にすると、なんとも暖かい雰囲気がそこにあった。
当時は、印刷もポジ原稿と明らかに異なった質感を再現してくれて、それがなんとも心地よく、90年頃には、ネガフイルムの消費量がポジフイルムのそれを越えていた。
93年に出版した相楽晴子さんの写真集は、全頁プリントで入稿。暗室作業には1ヶ月を要し、その材料費は50万を越えていた。
そんなことが許される、経済的に大変良い時代だったと懐かしい(笑)。

 写真集は、やがて予算の圧縮要請もあり、基本ポジで要所をプリント。そんなパターンで作るようになる。当初テイストの違いを、アクセントとして生かせていたのだけれど、印刷工程の進化は、その差を吸収し、プリントで入稿する意味合いが薄くなってきた。暗室環境の変化と共に、カラープリントの機会が減り、時代は徐々にデジタルの足音を聞くことになる。
忘れてしまいたくなる様な金額で、PowerPC以前のMacを買い、まだ実用性の低いソフト「Illustrator」で、意味不明の図形を描いて遊んでいた。何か、新しい時代が迫ってきている実感だけは十分すぎるほど得られたし、コンピューターってものにアレルギーを感じない自分を知ることも出来た。
2000年代に入り、本格的にデジタル画像との格闘が始まる。印刷も急速に進化し、仕上がりも実用の域に入ってきた。暗室は、明室になっても、求める結果への気分はあまり変わらない。導き出したい結果さえイメージ出来ていれば、処理はあくまでも処理。難しいことは何もない。
印刷物を見ても、ポジなのか、プリントなのか、デジタルなのか、あまり違いはない。そこには写真という結果があるだけだ。僕の場合、アプローチは異なっても、行きたい場所は同じなんだと自覚している。

 写真でも、ムービーでも、後処理は本当に楽しい。山の頂に立つ最後の瞬間は、やっぱり人に任せる気にはなれない。撮影の状況がわかっているから、迷わず仕上げられる。それは、画像処理のことだったり、インタビューなどで、その言葉を生かすかの判断だったり。どちらも、僕にとっては同じこと。自分が決めるべき事項ということだ。 

JUGEMテーマ:写真
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| A View of Photography | 05:58 | comments(0) | - |
魚の群れ
 

 月刊プレイボーイや広告批評が休刊し大変残念に思っていたところ、マリ・クレール、スタジオ・ボイスが相次いで休刊。良い雑誌がまた消えてゆく。

 不況の度合いは、まだバブル崩壊ほどではない気もするけれど、どうも不況の質がこれまでとは異なっているようだ。なんだか不気味な雰囲気を漂わせている。長い年月をかけて、スクラップビルドを繰り返しながら出来上がってきた今日の社会構造。どうも、それそのものにガタが来ているようだ。

「魚の種類を問わなければ、海にはいくらでも食べ物がある。水産資源は無尽蔵だよ」これは、取材で出会った漁師の言葉。
生きて行くに困り果てたら、原始に戻ればなんとかなる。海に魚を求め、土に作物を育てる。綺麗な服着て、肩書きにプライドを持つような生き方は、Surviveするには向かない。もっともっと本音で、生きることにしがみついて行けば大丈夫。

 獲物を満載した漁船には、なぜか海鳥がまとわりついてくる。匂いでも感じるのだろうか?
漁師は、海上に海鳥の群れを見つけ、魚の群れを察知する。異なった種族は、お互いを気にしながら、なんとなく共存している。

 ともかく漁って本質的にはいたってシンプル。獲物がいる所に網を入れれば良い。
人のいないところに向かって叫んでみても、もちろん誰も振り向いてはくれない。当たり前だね、人がいないのだから。
たとえば売り物が、娯楽にしろ情報にしろ、求める人がいない所に、誰も欲しがらないようなものをアピールしても仕方がない。雑誌も、売れない理由があって売れないのだ。
インターネットの台頭が、既存メディアからユーザーを奪っている側面もたしかにあるだろう。だけど、インターネットだからといって、すべてが盛り上がっているわけではない。もちろん出版不況であっても売れる書籍は売れているのだ。

・シンプルに発想せよ!
誰が喜ぶの?
誰が欲しがるの?

・再検証を欠かすな!
網は、獲物の群れに投下している?
潮の流れを読んでいる?

・常に修整せよ!
ダメなら変える。
良ければ伸ばせ。

 どんな商売も、こうしてやって来たはずだ。一個人の思いこみ程度じゃ、時流には乗れない。
俯瞰で見よ。宇宙ほど大袈裟な場所から出なくても良い。時々、東京タワーの展望室程度から見下ろせば、何をすべきかぼんやりと見えてくるものだ。

 今は、大きな時代の変わり目。振り返ればTurning pointだったと語り継がれる時代の真っ直中にいるんじゃないかと思う。
心から、この状況を楽しんで過ごせばいい。楽しくないことは、結実する前に止まってしまうだろう。世の中がどれほど便利になろうと、心はいたってシンプルなものだ。

腹が減ったら、喰えばいい(笑)。

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