写真・映像制作者 水谷充の私的視線

〜「見てきたもの」記録装置 カメラがくれた宝物 〜
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友人の旅立ちに接して・・・
 

 友人 岩田正芳氏が旅立った。
昨年8月にすい臓癌の宣告を受けて、悔いなく終わろうという強い意志でこれまでをやってきた。まだ49歳だったんだよ。もっともっといろんなことができたはずだ。彼は、そのいろんなことをギュッと凝縮してこの数ヶ月を走り抜けた。
「なるべく悔いを残さないように」と考える日々は、逆に、気づいていなかった悔いを知る事にもなった。彼自身が、その様々に正面切って向かう姿は、僕にも強い刺激となって刺さってきた。
いろいろ教えられたなぁ〜
『やりたいことは、躊躇せずやっちゃってください』
と、彼のFacebookのエントリーを読んで、背筋がピンと伸びた。決して長い付き合いではないけれど、濃い付き合いをさせてもらった。彼の最晩年に、少しでも関われたことを心から嬉しく思う。
なかなか上手い言葉が見つからないのだけど、やはり感謝のような気持ちでいっぱいだな。生きていくのも死にゆくのも運命なのだろう。ひとりひとりいろんなスケジュールで人生をやる。運命もいろいろだろう。
こうした人の終わりを間近に接すると、何事にも無自覚であってはいけない。いやいけないというよりもったいないって気がする。
彼はともかく自分の子供たちに、死に方を見せた。少々ギクシャクしていた奥さんとの間にも後悔と感謝が行き交う時間を持てたようだ。

 ひとまず安らかに休んでください。
肉体的な苦痛を圧して、僕らに顔を見せてくれるときは、笑顔で迎えてくれた。その言葉ひとつひとつから、いろんなものを受け取った。たしかに受け取ったと思う。

亡くなる数時間前に、お話をする機会を得た。死を前にして、強くいれる理由を聞きたかった。彼も、会えない友人に感謝を伝えたいという。
彼を知らない方も、一度ご覧になってほしい。なにか生きるヒントのようなものがあるんじゃないかと思う。




そして、帰りに彼の自宅から駅に向かう道。
きっといつも彼はこの景色を見てから、世をさすらっていたんだね。


 彼が引き合わせてくれた多くの仲間。そのひとりひとりの顔を思い出しながら、めずらしく日本酒を一杯飲んでいる。

やはり最後に、、、ありがとう。
| One`s View of Life | 04:46 | comments(0) | - |
人を知る


 桜ってのは、心を軽やかにするね〜
花見って、宴会風のことをほぼやったことはないけれど、この時期はあちこちで華やかな景色に触れ気分が軽くなる。

 この土日は、日本写真学院の3周年感謝祭が盛り上がった。鶴巻育子さん、安達ロベルトさんのお二人と、それぞれ対談をやらせていただいた。これがなんとも刺激的で楽しかった。普段の活動や写真への取り組み方など、対極にあるように感じていた部分も、突き詰めると同じようだったりする。お話をしながら、幾つもの共通点が明らかになってくる感覚が面白い。写真を1点もお見せすることなく、話だけで写真を語ったのだけど・・・。1時間があっという間に過ぎていった。お越しいただいた皆さんには、どんな風に感じたのだろうか。

しかし、話すということは大事だね。話すことで人を知り、人を知ることで己が明らかになる。
「自分とは何か」などと、哲学的に思考しようってつもりはないが、自分にできることをよくよく理解していなければ、人に伝えるとか教えるなんてことはできない。
「写真」って目の前にある現実を撮れば写るもんなんだけど、そう簡単にはいかないってところがあって、本当に面白い。自分のしてきたことを振り返り、しみじみ思う。

いろいろと課題も見えてきた、有意義な時間でした。
鶴巻さんと、安達さんには、改めてお礼を言っておきたい。こういった機会をこれからも積極的に作って行きたいと思う。



| One`s View of Life | 05:28 | comments(0) | - |
PHOTO LOUNGE 14レポ 〜問われるもの〜
 

PHOTO LOUNGE 14 終演!!
今回も、濃い〜〜晩でした。

まずは、出演者の方々をざっと紹介させていただきます。
敬称略にて〜

上田晴久
写真と動画の境界線って、益々曖昧なことになってきたなぁ〜と改めて感じたね。即興で踊るダンサーをピシッと捉えた動画は、なんだか静止画のようでもある。動きの軌跡を数ポイント静止させて重ね合わせていくことで、なんとも不思議な時間感覚を見る者に与える。印象深い。

千村明路
六甲山国際フォト・フェスティバルのレビュー第一期の有志によるグループ展の告知と、そもそものフェスティバルの意味や意義をお話してくれました。語り口から、充実した時間だったことがうかがえる。グループ展も、楽しみです。

坂本 司
「無名館」というコンセプトを主宰する、いわゆるインディペンデント・キュレーターとお見受けしました。様々なアートイベントを仕掛けている坂本さん。今回は、「展示費争奪、匿名写真10作品3時間限定展示会」の告知を。興味深い試み。作品とは、何によって作品足りえるかを問われることかもしれませんね。

那須 潔
グループ展「ALTERNATIVE!」において、レビュアー賞に選ばれた那須さん。改めてプレゼンをしていただきました。その作品「Stlay Light」は、どこか哲学的な印象。見えるとか、見えているとか、そういったことの本質に問いかけてくるようだ。

芦田みゆき
同じく「ALTERNATIVE!」レビュアー賞選出。フォトサミでおこなわれた『RICOH AWARD』2010優秀賞受賞以来、見させていただいている芦田さんの作品は、益々その湿度を高めている気がする。それは僕的にはとても好ましく受け止めている。

永田陽一(Fraction Magazine Japan)
「ALTERNATIVE!」において、レビュアーをお願いした永田さんには、その印象などを語っていただくつもりであったが、本人「もう過ぎたことは良く覚えていない」とかサラッとかわしつつも、そこからさらに奥へ奥へとアートとしての写真のこれからを予見させてくれるような濃い話が飛び出してきた。面白い!

谷 康弘
ショーパブダンサーを2年越しで追ったドキュメントをみせてもらった。撮るという行為が、撮られる側との共有体験だということを改めて感じさせてもらえた。こうした撮影行為は、どこか恋愛の盛り上がりと終焉ににた切なさがあって僕は大好き。ひとりひとり、やっぱり生きてるって凄いなぁ〜と思う。

ZIGEN
なんとこの日、誕生日を迎えたZIGEN氏は、10年余り追い続けている「Bali Deep」を披露してくれた。静かで強い作品群だが、気負いがない。縁があって撮るようになった、いわば降って沸いた話が、どのように彼のライフワークになっていったのかを興味深く聞いた。「自分の写真という意識をできるだけ抑えて、21世紀初頭のBaliを多角的にアーカイブしていきたい」と。積み上がるものは、やがて作品に昇華されていくものだと思う。アプローチとして極めて納得のいく姿勢は、やはり流石と思う。

と、まぁ〜かなり濃い〜〜〜PHOTO LOUNGEでありました。
僕も、いつになく真面目に司会しちゃったなぁ〜。写真の世界は、今凄いね。つくづくそう思う。手軽なだけに、ちゃんとやろうとすると奥が深すぎてやっかい。ま、撮り手自身がちゃんとしてりゃいいんだと思うけれど。(笑)
「誰」が「何」に、レンズを向けるのか。単純な話だけど、そこが問われ、そこが結果に色濃く出る。なんとなく撮れちゃったものは、どんな理屈をつけたって、なんとなくだ。きちっと感じる眼を持ちたい。まだまだ生涯修行時代だなぁ〜と感じた夜でした。

また、2ヵ月後に!



| Exhibition | 03:18 | comments(0) | - |
PHOTO LOUNGE出演者情報 〜ZIGEN登場〜


PHOTO LOUNGE 14
開催日 4月2日(水)
開催時間 18:00 open 19:00 start
前売 2,500円(1D付)
当日 3,000円(1D付)

学割 ※要学生証提示
前売 1,500円(1D付)
当日 2,000円(1D付)

司会:水谷充
出演:上田晴久(FILM SESSIONS)、坂本司、
千村明路(RAIEC Satellite Tokyo)
永田陽一(Fraction Magazine Japan)
ZIGEN

※特別プレゼンテーション
1月に開催された写真展『ALTERNATIVE!』の優秀作品として選ばれた2名の作品発表・写真展に関する報告を行います。
芦田みゆき、那須潔ほか

主催:SHUTTER magazine
予約はコチラ→https://pro.form-mailer.jp/fms/0f1cf5a456100

PHOTO LOUNGE 14が、いよいよ今週の水曜日。
今回、嬉しいことにZIGENが登場してくれる。
もちろんご存知かと思うが、彼はスタジオマンを経たあと、渡仏してピーター・リンドバーグ氏のアシスタントとなった。
当時、フレンチ・ボーグ誌をパラパラめくっていたら、突然ZIGENがモデルとして出ていた。撮影は、ピーター・リンドバーグ。
インパクトあったなぁ〜 なつかしい。
独立後は、ファッション・フォトグラファーとして各誌で活躍。おそらく目にされた方も多いはず。独特のこってりした色乗りの写真は、強い印象を残す。
ファッション・フォトの他、バリに通い撮影し続けているシリーズ「Bali Deep」も素晴らしい。僕としては、アオスタ(青山スタジオ)の名物パンクスタジオマン氏と、このような形で競演できるのが、とても嬉しい。
彼のキャリアは、申し分ないが、僕も僕なりに頑張ってきたからこそ、こうして30年余り経た今現在、同じ舞台に上がることができる。ホントに嬉しいことです。

そう言えば、SHUTTER magazine誌の最新号の「OLYMPUS PEN×Photographer’s Voice」では、僕がインベカヲリ★氏の話を聞き、写真を撮った。これも、かなり嬉しい。およそ10年前、僕の仕事を手伝ってくれていたインベ氏も、大活躍だ。活動をしっかりと継続し、素晴らしい成果を出している。やはり僕も消えることなく、なんとか頑張ってきたからこそのセッションということだと思う。互いに頑張っていなかったら実現していない顔合わせだからね〜。

春先に、良いことが続くなぁ〜
誰か、運命をコントロールしている高次元の存在なんてもんがいるなら、感謝しておきたい。(笑)

| Exhibition | 03:51 | comments(0) | - |
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